シューベルト:ピアノ五重奏曲 イ長調「鱒」

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第22回「ながのアスペン音楽祭」(5/3)第二部のプログラム(no3)

シューベルト:ピアノ五重奏曲 イ長調「鱒」

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シューベルト:ピアノ五重奏曲 イ長調「鱒」

1819年の夏、フランツ・シューベルト(1797-1828)は友人で宮廷歌手のフォーグルの誘いを受け、ヴィーンを離れ上部オーストリアを周遊する。その途上で、フォーグルの故郷であるシュタイアーに滞在した。2人は裕福な鉱山技師のパウムガルトナーに招かれ、しばしば彼の邸宅を訪問している。そこは街の音楽愛好家たちの集まるサロンとなっており、演奏会がたびたび開かれていたのだ。パウムガルトナーは音楽への造詣が深く、自身もチェロを好んで演奏した。彼はサロンで演奏するための作品をシューベルトに依頼し、シューベルトも滞在中の手厚いもてなしへの感謝として、これを快く引き受けた。
こうして生まれたのがピアノ五重奏曲である。作曲時期は同年ヴィーンに戻ってすぐに書きあげられたという説や、1923年に再びシュタイアーに滞在した後という説など諸説ある。また、シューベルトの歌曲《鱒》をこよなく愛していたパウムガルトナーの要望により、この曲の旋律が用いられているため、副題に「鱒」というタイトルがつけられており、シューベルトの作品のなかでも最も愛されている作品のひとつである。
ピアノ五重奏曲は、ピアノと弦楽四重奏という編成が通常であるが、この作品ではピアノとヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスという変則的な編成がとられている。パウムガルトナーがこの編成を希望したとも言われており、フンメルの同編成の作品(自作の編曲を含む)をモデルに書かれたとされる。一方では、当時の室内楽において圧倒的な主導権を担うようになったピアノの音域に対応して、低音部を充実させるためにコントラバスが好んで用いられたという時代背景もある。また、依頼主がチェロ奏者であったことも反映して、アンサンブルの中でもチェロの活躍がひときわ目立つものとなっている。
作品は以下の全5楽章から成る。全体的に親しみの湧きやすい簡素で明快な形式で書かれており、室内楽の悦びともいえる各楽器のむつまじい協奏をくっきりと浮かび上がらせる筆致には目をみはるばかりである。
第1楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ イ長調 4/4拍子。均斉のとれたソナタ形式で、ピアノの軽やかな伴奏にのり弦楽器が爽やかな空気を醸し出す。
第2楽章 アンダンテ ヘ長調 3/4拍子。3部分からなる楽節が2回繰り返される簡素なリート形式をとるが、各部分の調が次々と変わることによって変化が与えられている。
第3楽章 プレスト イ長調 3/4拍子。スケルツォで、みずみずしく活気に満ち溢れた曲調と穏やかな中間部(トリオ)のコントラストが色鮮やかである。
第4楽章 アンダンティーノ ニ長調 2/4拍子。この作品の醍醐味ともいえる楽章で、歌曲《鱒》の主題に基づく変奏曲形式をとる。はじめにヴァイオリンが主題を演奏し、順にピアノ、ヴィオラ、チェロとコントラバス、ヴァイオリンとピアノ、チェロ、と変奏が繰り広げられてゆく。コーダではヴァイオリンとピアノ、チェロと弦楽器という組み合わせで交互に主題が演奏され、ゆるやかにしめくくられる。
第5楽章 アレグロ・ジュスト イ長調 2/4拍子。ハンガリー舞曲風のリズムが魅力的なロンド形式の楽章で、第2楽章と同じく前半と後半は同じ楽節の繰り返しだが、後半の調が異なっているため、変化に富みドラマチックな印象を与える。(解説:成田麗奈)

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このページは、kenが2009年4月30日 06:31に書いたブログ記事です。

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